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白磁工房・石飛 勲(島根)の記事一覧

雨降りの10月。入荷のお知らせ

何となく、ずっと雨降りだったな。と言う印象の10月も早いもので残すところあと1週間。グッと気温も低くなり雨の日の寒さは例年10月いっぱいまで短パンで過ごす店主を震え上がらせるには充分な冷え込みとなってきております。そろそろストーブの準備をしなきゃな。とぼんやり考えている今日この頃ですが、ここ1週間ほどで色々と入荷してきておりますので、まとめてご紹介させていただきます。

という事で、まずは久しぶりの入荷となる兵庫県の篠山で活動されている『野澤裕樹』さんより、挽き物の品々が届いております。今回は拭き漆の品物が中心ですが、以前に入荷した際に大変好評だったオークのリムプレートも入荷しております。一見洋皿のようなシャープな印象がありますが、手に取るとモッチリとした質感で、全体の緩やかな曲線も手に馴染みやすいよう細部までこだわり抜いたカタチをしています。

今回の入荷で特に目新しいのが拭き漆のぐい呑みです。先日Instagramの方にアップしたら、それを見てご来店下さった客様から『汁椀かと思った』とご指摘を受けましたので、他のぐい呑みも一緒に撮ってサイズ感がわかるようにしました。ガラスや陶磁器のぐい呑みと比べて軽くて割れにくい為、少々酔っぱらって手元が危うくなっても安心して飲み続けられます。形も大きさも様々なのでお気に入りの一つを見つけて下さい。

その他には白漆を中心に施した5寸の銘々皿。縁に彫り付けた凹凸の手触りも楽しいケヤキの4寸鉢とタモ材の6寸鉢。渋い印象になりがちの拭き漆のうつわをそれぞれ異なる技法で軽やかに仕上げています。5寸の銘々皿は菓子皿や果物をいただくのにちょうどいいサイズ感で、年末年始の来客用に備えていくつか揃えておきたくなる品物です。今回は演出としてちっちゃなリンゴで飾ってみました。

次は、先月にお邪魔してきたばかりの島根県の『白磁工房 石飛 勲』さんより湯吞みやマグ、ぐい呑みから醤油差しまで細々とした品物が届いております。この他にも鉢モノや片口、土瓶などもお願いしておりますが、その辺も年内にはいくらか入荷してくると思います。湯吞みとマグは再入荷ですが、石飛さんにも新たにぐい呑みをたくさんお願いしました。そしてこちらでも形はバラバラで、色も白磁・呉須・辰砂の3色です。

そして今回は初めて醤油差しをお願いしてみました。以前にご紹介した島根仕入旅の旅行記でも書きましたが、ほぼ衝動的な注文で、下皿を付けるかどうかをお客様に委ねるカタチで本体とは別売りで豆皿を注文してきたのですが、今回は本体のみの入荷です。下皿になる豆皿は次回の入荷となると思います。カタチはポッテリしていて、ちょっと高級な中華料理店のテーブルに並んでいそうな印象です。

今年の春に入荷して早々に無くなってしまった松本箒も少量づつですが再入荷しています。9月に発売された『& Premium』という雑誌の中でご紹介いただいた際に何件かお問い合わせをいただいておりましたので、無理言って少し分けて頂きました。年末の大掃除に向けて松本箒でスッキリしたい方は、今回が年内最後の入荷なのでお早めにどうぞ。また、今回入荷の荒神箒はお求めやすい柄無しのタイプが届いております。

今年の7月に三人展に参加していただいた鈴木史子さんからは今シーズン最初の耐熱モノが届きました。今回の入荷は直火やオーブンでお使いいただける入れ子鉢と両手鍋がそれぞれ2色です。毎年人気の平土鍋も注文しておりますので、他の作り手の耐熱モノも合わせてこれから寒くなるにつれて続々入荷してきます。ちなみ先日あまりに寒くて、昨シーズンに入荷していた鈴木さんの土鍋が早くも旅立って行きました。

こちらも9月の島根仕入旅での大きな収穫。『大社の祝凧』が入荷しました。大社の祝凧のいわれについては島根仕入旅その2で簡単にご説明しておりますので、ここでは割愛させていただきます。大社の祝凧はお正月に関係無く年中飾っておける縁起物なのですが、せっかくなので年末に間に合うように頑張っていただきました。鶴と亀の2枚1対で、赤い鶴の方を向かって左に飾るのが決まりです。

最後に、今年もやってきました『手仕事カレンダー』。今年も型染職人の小田中耕一さんによる暖かみのある楽しい絵柄がぎっしり詰まっております。ここ何年も毎年楽しみにしてご購入いただいているお客様も多く、MARKUSでもこのカレンダーが入荷すると年末が近づいてきた実感が湧いてきます。12月になればしめ飾りも入荷する予定なので、今年のMARKUSの年末は賑やかになりそうです。

という事で今年も残すところあと2ヶ月。寒くなってくると元気になるMARKUSなので、これから年末に向けて耐熱モノやスリップウェアなどが続々入荷する予定です。ご期待ください。

 

 

今年も島根に行ってきました。その1

最近はお手軽なインスタでのお知らせばかりになってしまい、ブログの方がおろそかになってしまいスミマセン。久し振りの投稿となる今回は読み物的なネタとして、9月の20日~22日の2泊3日で行ってきた島根県の旅を回想しながら立ち寄り先をご紹介していこうと思います。

私がいつもお世話になっている方で、島根県の伝統工芸などのブランディングやPRのお手伝いをされている方がいらっしゃいます。その方の仲介で、東京からバイヤーを呼んで島根県の工藝を視察してもらい、もっと広く知ってもらおうという企画で、島根県からのご招待という形で行ってきました。本当は9月21日と22日の2日間の日程だったのですが、この2日間は県の職員の方や私と同じく東京から招待された他のバイヤーと同行となる為、折角だから1日フリーに動ける日が欲しいと思い、自腹を切って20日から島根入りしました。

県が組んだ今回の行程は出雲から石見~浜田・益田方面へ西へ行き、石見空港から東京へ帰る。という予定だったので、松江や出雲を回りたかった私は石見~羽田間と同じANAが発着する米子空港から旅をスタートしました。朝まだ暗い時間に自宅の最寄り駅を始発で出発して羽田から米子空港に降り立ったのが8時ちょっと過ぎ、2日目に県の方々との合流に備えて初日の宿を出雲市駅前に取っていたので、この日の足となるレンタカーの都合もあってひとまず出雲市に向かいました。

米子空港から松江まで空港連絡バスで行き、松江からは特急やくもに乗り、出雲市駅に着いたのが10時過ぎ。駅から歩いて10分のレンタカー屋で車を借りて最初に向かったのが、『森山ロクロ工作所』さんです。森山さんとは昨年9月にお邪魔した時からのお付き合いで、ご挨拶や近況の報告もそこそこに次の注文として茶筒や薬味入れ、お盆など注文をしてきました。お話ししていてとても楽しい方で、昨年同様に奥様も交えて3人で世間話に盛り上がってしまい作業場や品物の写真を撮ってくるのをすっかり忘れてしまいました。

森山さんの所で盛り上がりすぎて1件目から予定時間をオーバーしてしまい、次に向かった先は山間部の雲南市 三刀屋にある『白磁工房 石飛 勲』さんのところです。石飛さんとも昨年9月からのお付き合いで、この春に入荷もあり既に次の注文もしてあります。今回は次回分の注文の中にあるMARKUS仕様リクエストの詳細打合せと更に追加の注文もしてきました。現地に行った時の悪いクセで、部屋中に広がる大量の見本品でテンションが上がってしまい、ついついたくさん追加注文してしまいます。

例えば今回は醤油差しを現地でお願いしてきたのですが、元々あった醤油差しは中央のモノなのですが、細かい筋の入った『しのぎ』だけでなく右にあるような『面取り』もできないか?とか、下皿も人によっては要る要らないがあると思うので、基本はナシにして左のような単品の花弁型の豆皿をセットしたらどう見えるか?などとやっている内に注文がどんどん膨らんで行ってしまいます。同様な事を土瓶や片口などでもやっていて、元々事前に注文していた倍近くのボリュームに膨らんでしまったところで注文ストップです。

帰り際に年季の入った電気窯を見せていただきました。実は石飛さんの後にご近所の『永見窯』さんの所にお邪魔するつもりでいたのですが、急用が入って外出されているそうなので、その次の訪問先である松江の『袖師窯』さんに行く前に1箇所差し込もうと考えました。パッと思い浮かぶ候補は3つ。『出西窯』と『湯町窯』と『舩木窯』です。出西さんは松江に向かうには少し遠回りで、話し込んだら長くなるのでナシ。舩木さんは完全に観光だし、アポ無しでフラッと立ち寄れる所じゃないのでナシ。という事で湯町窯に寄り道しました。

湯町窯さんでは特に今のところお取引の予定も無い為、いただいたお茶をすすりながらぼんやりとうつわを眺めて少し休憩をした後に松江の袖師窯さんに向かいました。袖師窯さんも同じく昨年9月からのお付き合いで、この1年の間に何度か入荷もあり、既にMARKUSでもファンの多い窯元です。次の注文もお願いしてあるのですが、石飛さん同様に展示室にある作品を見ながら色々と追加でお願いしてきました。早ければ年内にはいくつか形になってご紹介出来るモノもあると思います。

袖師窯さんは明治から続く歴史ある窯で、現当主の尾野友彦さんで5代目となります。その長い歴史の蓄積もあって本当に作品の幅が広く、過去の古い作品も可能なモノは割と気軽に引き受けて下さります。今回はその中から先代の頃のモノを1種類お願いしており、出来上がりがとても楽しみです。そして今回の袖師窯さんの訪問では大きな収穫と言うか有難いお話をいただいて帰ってまいりました。具体的な詰めはこれからですが、ひとまず関係各所の了承と大体の日程が決まりましたので、ざっくりと発表しますと。

来年5月のゴールデンウイークに、MARKUSの5周年記念企画として袖師窯さんを含めた3人の作り手による合同展を開催させていただける事になりました。他のメンバーや詳細はこれから小出しにお知らせしていきますが、まず東京ではなかなかお目にかかれない作り手であり組み合わせです。最初は今度何かイベントでご協力いただけないか。というフワッとしたご相談だったのですが話がだんだん大きくなり、尾野さんからいただいたご提案を東京に持ち帰って企画書に仕上げてお送りしたところ、つい先日OKをいただきました。

有難いお話をいただいて向かった初日最後の目的地は出雲大社の東側、平田にある創業300年の老舗『來間屋生姜糖本舗』さんです。すっかり話し込んでしまい辺りも暗くなってきた袖師窯さんを飛び出して、宍道湖の北岸をぐるっと走り來間屋さんに到着したのは閉店の15分前。こちらでは毎年冬場限定で生姜糖を仕入れさせていただいており、初めてお邪魔したのはMARKUSを開業する前に神戸に住んでいた頃で、それ以来なかなかお伺い出来ず、今回開業後初めて直接当主の方にご挨拶させていただく事ができました。

來間屋さんで『今後ともよろしくお願い致します』と、ご挨拶を済ませてこの日の予定はすべて終了です。この時点で19時過ぎ。朝、空港に向かうバスの中で妻が持たせてくれたおにぎりを食べて以来何も食べていない事に気付いて急に空腹を覚えましたが、ガソリンを満タンにしてレンタカーを返却する時間も迫っていた事もあり大急ぎで出雲市駅に向かいました。20時前にホテルにチェックインを済ませて空腹を満たすべく駅前の飲み屋街である『代官町』を徘徊しましたが、その辺のお話は割愛させていただきます。

その2へ続きます。

白磁工房 石飛勲さんの磁器とハニワと竹かご

4月に入りました。年度末から続いたバタバタも落ち着きを見せ、そろそろ通常モードに戻ろうかという今日この頃。MARKUSにもフレッシュな4月の爽やかな空気が良く似合う新しい品物が届いております。

昨年9月の島根仕入旅から始まった新しいお付き合い。最後のひとり、島根県の東部、雲南市で活動されている『白磁工房 石飛 勲』さんから、MARKUSでは初めてのお取り扱いとなる白磁のうつわが届きました。

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白磁工房は石飛勲さんとお父様の勝久さんの親子二人で活動されている工房で、1985年にこの島根県の三刀屋町に開窯されました。勝久さんは1941年島根県の生まれ、河井寛次郎が島根県の安来の出身だった事から島根県の窯業指導所を出た後に京都に移り、1958年より河井寛次郎の最初の弟子である上田恒次氏に、これまた上田氏の最初の弟子として師事しました。

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上田氏が磁器の作り手であった事から勝久さんも磁器を作るようになり、河井・上田の両氏の影響を受けて厚手でどっしりと力強い磁器を作るようになりました。その後1985年に故郷の島根に戻り開窯します。現在は父・勝久さんの元で10年修行した息子の勲さんが窯と作風を引き継ぎ、実直な仕事を守っています。

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白磁のような~。なんて例えがありますが、まさしく抜けるような白で、滑らかで清らかなうつわたちです。繊細そうな印象のある白磁のうつわですが石飛さんの作る白磁のうつわは厚手でどっしりとしており、そこへ施される面取りや鎬の装飾がうつわの持つ力強さを一層際立たせています。

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 続いては久し振りの勢ぞろいとなったハニワと土偶です。MARKUS開業時からの変わらぬラインナップですが大人から小さなお子さんまで根強い人気です。特に今回は月末からのゴールデンウイークに備え、人気の遮光器土偶を多めにご用意しました。手のひらサイズの小さなウマやイヌも充実しております。

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あまり変わり映えしないのもつまらないので、近い内に益子の作り手の所へ行って、何か新しいモノが無いか物色してくるつもりです。でも『新作ハニワ』っていうのもなんかウソ臭いというか、古代にあったモノなので新たに出土でもしない限り新しいモノは出てこないはずなので新作は期待できそうもありません。

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最後にこちらも久しぶりの再入荷。新潟より孟宗竹で編み上げられた竹かごです。産地では『ぼて』と呼ばれるもので、野菜やお米のストックに便利なサイズとカタチです。使われる竹の種類も産地によって様々で、新潟で使われている孟宗竹は硬いため細かい編込みや細工にはおよそ不向きなのですが、非常に頑丈で武骨なつくりがまさに生活の道具。といった風情があります。

こんな感じで入荷もまだまだ続きます。4月もMARKUSの品揃えにご期待ください。

 

 

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