HOME > 陶磁器 > 袖師窯(島根)

日々のモノ・コト

袖師窯(島根)の記事一覧

今年も島根に行ってきました。その1

最近はお手軽なインスタでのお知らせばかりになってしまい、ブログの方がおろそかになってしまいスミマセン。久し振りの投稿となる今回は読み物的なネタとして、9月の20日~22日の2泊3日で行ってきた島根県の旅を回想しながら立ち寄り先をご紹介していこうと思います。

私がいつもお世話になっている方で、島根県の伝統工芸などのブランディングやPRのお手伝いをされている方がいらっしゃいます。その方の仲介で、東京からバイヤーを呼んで島根県の工藝を視察してもらい、もっと広く知ってもらおうという企画で、島根県からのご招待という形で行ってきました。本当は9月21日と22日の2日間の日程だったのですが、この2日間は県の職員の方や私と同じく東京から招待された他のバイヤーと同行となる為、折角だから1日フリーに動ける日が欲しいと思い、自腹を切って20日から島根入りしました。

県が組んだ今回の行程は出雲から石見~浜田・益田方面へ西へ行き、石見空港から東京へ帰る。という予定だったので、松江や出雲を回りたかった私は石見~羽田間と同じANAが発着する米子空港から旅をスタートしました。朝まだ暗い時間に自宅の最寄り駅を始発で出発して羽田から米子空港に降り立ったのが8時ちょっと過ぎ、2日目に県の方々との合流に備えて初日の宿を出雲市駅前に取っていたので、この日の足となるレンタカーの都合もあってひとまず出雲市に向かいました。

米子空港から松江まで空港連絡バスで行き、松江からは特急やくもに乗り、出雲市駅に着いたのが10時過ぎ。駅から歩いて10分のレンタカー屋で車を借りて最初に向かったのが、『森山ロクロ工作所』さんです。森山さんとは昨年9月にお邪魔した時からのお付き合いで、ご挨拶や近況の報告もそこそこに次の注文として茶筒や薬味入れ、お盆など注文をしてきました。お話ししていてとても楽しい方で、昨年同様に奥様も交えて3人で世間話に盛り上がってしまい作業場や品物の写真を撮ってくるのをすっかり忘れてしまいました。

森山さんの所で盛り上がりすぎて1件目から予定時間をオーバーしてしまい、次に向かった先は山間部の雲南市 三刀屋にある『白磁工房 石飛 勲』さんのところです。石飛さんとも昨年9月からのお付き合いで、この春に入荷もあり既に次の注文もしてあります。今回は次回分の注文の中にあるMARKUS仕様リクエストの詳細打合せと更に追加の注文もしてきました。現地に行った時の悪いクセで、部屋中に広がる大量の見本品でテンションが上がってしまい、ついついたくさん追加注文してしまいます。

例えば今回は醤油差しを現地でお願いしてきたのですが、元々あった醤油差しは中央のモノなのですが、細かい筋の入った『しのぎ』だけでなく右にあるような『面取り』もできないか?とか、下皿も人によっては要る要らないがあると思うので、基本はナシにして左のような単品の花弁型の豆皿をセットしたらどう見えるか?などとやっている内に注文がどんどん膨らんで行ってしまいます。同様な事を土瓶や片口などでもやっていて、元々事前に注文していた倍近くのボリュームに膨らんでしまったところで注文ストップです。

帰り際に年季の入った電気窯を見せていただきました。実は石飛さんの後にご近所の『永見窯』さんの所にお邪魔するつもりでいたのですが、急用が入って外出されているそうなので、その次の訪問先である松江の『袖師窯』さんに行く前に1箇所差し込もうと考えました。パッと思い浮かぶ候補は3つ。『出西窯』と『湯町窯』と『舩木窯』です。出西さんは松江に向かうには少し遠回りで、話し込んだら長くなるのでナシ。舩木さんは完全に観光だし、アポ無しでフラッと立ち寄れる所じゃないのでナシ。という事で湯町窯に寄り道しました。

湯町窯さんでは特に今のところお取引の予定も無い為、いただいたお茶をすすりながらぼんやりとうつわを眺めて少し休憩をした後に松江の袖師窯さんに向かいました。袖師窯さんも同じく昨年9月からのお付き合いで、この1年の間に何度か入荷もあり、既にMARKUSでもファンの多い窯元です。次の注文もお願いしてあるのですが、石飛さん同様に展示室にある作品を見ながら色々と追加でお願いしてきました。早ければ年内にはいくつか形になってご紹介出来るモノもあると思います。

袖師窯さんは明治から続く歴史ある窯で、現当主の尾野友彦さんで5代目となります。その長い歴史の蓄積もあって本当に作品の幅が広く、過去の古い作品も可能なモノは割と気軽に引き受けて下さります。今回はその中から先代の頃のモノを1種類お願いしており、出来上がりがとても楽しみです。そして今回の袖師窯さんの訪問では大きな収穫と言うか有難いお話をいただいて帰ってまいりました。具体的な詰めはこれからですが、ひとまず関係各所の了承と大体の日程が決まりましたので、ざっくりと発表しますと。

来年5月のゴールデンウイークに、MARKUSの5周年記念企画として袖師窯さんを含めた3人の作り手による合同展を開催させていただける事になりました。他のメンバーや詳細はこれから小出しにお知らせしていきますが、まず東京ではなかなかお目にかかれない作り手であり組み合わせです。最初は今度何かイベントでご協力いただけないか。というフワッとしたご相談だったのですが話がだんだん大きくなり、尾野さんからいただいたご提案を東京に持ち帰って企画書に仕上げてお送りしたところ、つい先日OKをいただきました。

有難いお話をいただいて向かった初日最後の目的地は出雲大社の東側、平田にある創業300年の老舗『來間屋生姜糖本舗』さんです。すっかり話し込んでしまい辺りも暗くなってきた袖師窯さんを飛び出して、宍道湖の北岸をぐるっと走り來間屋さんに到着したのは閉店の15分前。こちらでは毎年冬場限定で生姜糖を仕入れさせていただいており、初めてお邪魔したのはMARKUSを開業する前に神戸に住んでいた頃で、それ以来なかなかお伺い出来ず、今回開業後初めて直接当主の方にご挨拶させていただく事ができました。

來間屋さんで『今後ともよろしくお願い致します』と、ご挨拶を済ませてこの日の予定はすべて終了です。この時点で19時過ぎ。朝、空港に向かうバスの中で妻が持たせてくれたおにぎりを食べて以来何も食べていない事に気付いて急に空腹を覚えましたが、ガソリンを満タンにしてレンタカーを返却する時間も迫っていた事もあり大急ぎで出雲市駅に向かいました。20時前にホテルにチェックインを済ませて空腹を満たすべく駅前の飲み屋街である『代官町』を徘徊しましたが、その辺のお話は割愛させていただきます。

その2へ続きます。

春の嵐。怒涛の入荷ラッシュです。

3月も後半に入り、3連休目前で世間はすっかり春休み。卒業式があちこちで行われ、4月からの新しい旅立ちや生活に向けての準備に胸が膨らんでいる方も多い事でしょう。この春に進学や就職で新しい生活を始めるような若者にはあまり縁の無さそうなMARKUSですが、今週に入って春らしい新しい品物が、それこそ春の嵐のように続々と入荷しております。

IMG_8671b

まずは、昨年の9月に行った島根県への仕入の旅で新たなお付き合いが始まった『袖師窯』さんより初めての入荷がありました。9月の仕入旅では島根に到着した初日に空港から車を飛ばして真っ先に向かった1番の訪問先だったのですが、この時に4件の新しいお付き合いが生まれまして、既に『石州 嶋田窯』さん、『森山ロクロ工作所』さんからの入荷があり、今回の袖師窯さんで第3弾となります。ちなみに袖師窯さんに教えてもらった松江市内の『東風』という蕎麦屋さんは絶品でした。そして最後のもう1件も4月にはご紹介できる事と思います。ご期待下さい。

IMG_8752a

袖師窯は1877年に初代の尾野友市氏が松江市に窯を築いたのを始まりに3代目の敏郎氏の代では柳宗悦や河井寛次郎、バーナード・リーチの指導を受け、民藝の窯元として知られるようになった歴史ある窯元です。開窯から140年。現在は5代目の尾野友彦さんが袖師窯の長い歴史を引き継ぎ、出雲に伝承された技法を基礎として地元の土と原料を使い、日用品としての焼き物を作っています。

IMG_8570a

袖師窯と言えばコレ。というモノはまさに使う人それぞれで、その作品群や個性は多岐にわたっております。共通して言える事は、時代と食卓を囲む生活を考えて作られたうつわであり、特定の形や技法、釉薬ではなく生活に合わせて変化するうつわ。という事です。工房にお邪魔した時も欲しいうつわ取り扱いたいうつわがありすぎて頭の中がまとまらなかったのですが、まずお付き合い第1弾はコレ。という事で今回は二彩のシリーズをお願いしました。軽やかで華やかで、これからの季節にピッタリのとても使い心地のいいうつわです。

IMG_8804a

続いては今回で2回目の入荷となる秋田県の『白岩焼和兵衛窯 渡邉 葵』さんより、伝統の海鼠釉と白釉のプレート・マグカップ・酒器が届きました。今回も吸い込まれそうなほど美しい海鼠釉のブルーは健在で、作り手の渡邉さんいわく、『海鼠釉の発色もキレイで、よく焼けてます。』との事でした。昨年の11月に納品していただいた、少し深さのある丸皿もご好評いただいて残りわずかですが、今回入荷した2サイズのリムプレートも使い勝手がよく様々シーンで活躍してくれそうです。

IMG_8872a

普段は比較的大きめの6寸や7寸皿をお求めの客様が多いため、4寸や5寸といった取り皿サイズは手薄になってしまうMARKUSですが、今回は4.5寸という絶妙なサイズ設定の深皿をご用意しました。また、昨年の年明け頃より渡邉さんと相談していたマグカップもMARKUS用に作っていただきました。もともと渡邉さんの作品としてあったワイン用カップの丸っとしたシェイプが気に入ってしまい、マグカップにアレンジしてもらったのですが、持ち手のカタチや位置など苦労の跡がうかがえます。

IMG_9081a

そして今回は常設ではMARKUS初のお取り扱いとなるぐい呑みが届きました。 一昨年の岡田 崇人さんの個展の際に20点ほどの酒器を出品していただきまして、後にも先にもそれっきりだったのですが、最近になって私もようやく日本酒のおいしさがわかるようになってきたので満を持して品揃えに加えました。写真ではサイズ感がわかり難いかと思いますが、実物はかなり大きいです。届いた時は少しビックリしたのですが渡邉さんいわく『秋田では標準サイズ』だそうです。さすが米どころ酒どころの秋田。という事でしょうか。

IMG_8997a

うつわ以外にもイロイロ届いております。まずは、およそ1年半ぶりの入荷となる長野県の米澤箒工房さんの『松本箒』です。初回となる前回が2015年の10月に届けて下さいまして、ちょうどその頃が新聞やメディアなどで松本箒が取り上げられ始めた頃で、その過熱ぶりにすぐに入手困難になってしまいました。最近はようやく少しばかり落ち着いてきたそうですが、今回の入荷分も無くなったら次はいつになる事やら?という感じです。

IMG_9034a

米澤箒工房さんは『箒工房』といっておりますが農家でもあります。箒作りの材料となる日本国内でも珍しい『ホウキモロコシ』を全て自家栽培しており、それを箒に仕上げている農家であり職人でもあり現在はご家族3人で箒の制作をしています。米澤さんのモロコシはふんわりと柔らかく粘りがあります。掃き心地も柔らかく耐久性が高いため10年以上は使い続けることができ長年使い込んだ箒はアメ色に変化し何とも言えない風情があります。昨年収穫して乾燥させたホウキモロコシを束ねて箒に仕上げている為、まだ青々として爽やかなイ草の香りがします。

IMG_8457b

怒涛の入荷ラッシュはまだまだ続きます。MARKUSでは定番のwoodpeckerさんの『いちょうの木のまな板』に直線的な長方形が加わりました。これまでの緩い曲線のタイプと数字上のサイズは同じですが、シンプルに道具としての『THE まな板』をお求めの方。とにかく面積すべてを目いっぱい使いたい。という方のご要望にお応えしましてラインナップに加えました。こちらは大のみの1サイズ展開です。

IMG_8362c

最後に人気のMokunejiさんのコーヒーミルが素材(樹種)が変わって再入荷しております。今回よりこれまでのミズメからケヤキに変わっております。どちらも漆器の木地に使われるポピュラーな樹種ですが目が詰まったミズメに対してケヤキは木目の個性がよく表れていて、今まで以上に素材の個体差を楽しんでいただけます。

コレ全てここ数日で入荷した品物たちです。新しい品物が届き売り場の雰囲気も季節と共にガラッと変わったMARKUSをぜひのぞきに来てください。新しい発見がたくさんありますよ。

このページの先頭へ