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日々のモノ・コト

2018年

【後編】4月28日(土)より『をのぜの人~ガラスと陶器と和紙の人』開催します。

【4月~ゴールデンウイーク明けまでの営業について】
4月は 20日(金)・ 27日(金) をお休みとさせていただきます。5月のお休みについてはまだ未定ですが、イベントの会期中である 5月13日(日)までは休まず営業致します。よろしくお願い致します。

企画展『をのぜの人~ガラスと陶器と和紙の人』のご紹介、後編です。三人の作り手の内、前編では『カンナカガラス工房 村松学』さんをご紹介いたしました。後編では島根県松江市に明治時代から続く『袖師焼窯元』の5代目、尾野友彦さん。柳宗悦に見出され人間国宝『阿部榮四郎』が確立した出雲民藝紙の職人でありながら土瓶敷きや弦などの伝統的な籐細工も手掛ける山野 孝弘さん。このお二人をご紹介していきます。

MARKUSと袖師窯さんとのお付き合いは2016年からですからもう2年ほどになります。初めて工房にお邪魔したのが2016年の秋の島根仕入旅で、東京を出発して出雲空港に降り立った後、一番最初に向かったのが袖師窯さんでした。松江の市街地からも程近い、宍道湖畔を走る道路から脇道に逸れてすぐの木立の中にひっそりと佇む、築100年以上はたっているであろう堂々とした建物が袖師窯の工房です。

実は今回の企画展は袖師窯さんのアイデアで、昨年の島根仕入旅の際に袖師窯さんに再訪した際に、翌年の5周年企画について何かできないかご相談したところ、2016年の秋に米子にある書店で開催した第1回の『をのぜの人』を、今度は東京でやってみないか。と、ご提案いただきました。その時のメンバーも袖師窯の尾野さんをはじめカンナカガラス工房の村松さんと出雲民藝紙の山野さんに3人で、東京ではなかなかお目にかかれない個性的な組み合わせにとても興味を持った私はすぐに乗り気になりました。

普段でしたら割と物事を慎重に考えるタイプなので、一旦東京に帰ってからお返事をするところなのですが、この時はこの魅力的な企画にすぐに食いついて、その場で簡単な打ち合わせに入りました。ひとまず他のお二人への最初のお声掛けは尾野さんの方からして下さる事になり、私は東京に帰ってから頃合いを見計らってお二人にご連絡をして、翌年のゴールデンウイークの企画展にご参加いただける承諾をいただきました。

村松さんも山野さんもお名前や作品などは目にしていたのですが、それまで面識が無かったため、今年の1月の東京に大雪が降った日に山野さんが活動する出雲民藝紙工房と村松さんの工房がある広島にご挨拶に行ってきました。この時も袖師窯さんにお邪魔してDMや会期までの段取りなどの打ち合わせをしたのですが、今回のDMはデザインの経験がある袖師窯の尾野さんの奥様に製作していただきました。

明治10年の開窯から130年余の歴史を持つ袖師窯は、三代目の尾野敏郎氏が柳宗悦や河井寛次郎、バーナード・リーチの指導を受け、民藝陶器の窯として知られるようになりました。現在は5代目の尾野友彦さんが窯を引き継ぎ、地元の陶土・原料を使用して、出雲に伝承された陶法を基礎にしながらも、友彦さんは一時期は益子の人間国宝『島岡達三氏』に師事するなど各地の陶法を会得し、簡素な中にも潤いのある現代の暮らしに役立つ日用品としての陶器造りを探求しています。

袖師窯の特徴は、器を使う人とその食卓を考えて作られた器という事ではないでしょうか。何か特定の技法や釉薬に特化して作り続けるというよりは、移り行く時代や生活様式に合わせて使う人の要望に合わせて、多種多様に自在に変化していく柔軟さと懐の深さが最大の魅力だと思います。

地釉・柿釉・ゴス釉・藁白釉・糖白釉・辰砂等、様々な釉薬を巧みに使い分け、掛分・スリップウェア・鉄絵・刷毛目・釘彫・櫛目など、長い歴史の中で培われた多彩な手法を用いて生み出される暮らしのうつわは、日々の暮らしに穏やかに馴染み、世代を超えて愛されています。

作風や技法・釉薬は幅広く多岐にわたっておりますが、作品を見ると『コレは袖師窯のうつわだな。』と、分かるモノも多く、もしかしたら知らずに使っていて『このうつわも袖師窯だったのか。』と気付く方も多いかもしれません。そのくらい何気ない日常に溶け込んでいるうつわです。ぜひ店頭でその魅力を再発見して下さい。
● 袖師窯 尾野友彦さんの在廊日は、初日の4月28日(土)です。

『をのぜの人~ガラスと陶器と和紙の人』 最後の一人、和紙の人は出雲民藝紙の職人、山野孝弘さんです。山野さんは1983年松江市魚瀬町の生まれ。大学在学中に文化財の修復について学び、文化財修復の現場の中で、廃れ行く伝統的な材料やそれを生み出す技術に危機感を覚えました。和紙もその一つで文化財を保存・修復する過程で必要になる素材として重要な位置を占めながらも、それを後世まで引き継ぐ作り手がいない。という危機的状況を実感し職人の世界に飛び込みました。

出雲地方は正倉院文書にも記述が残っているように、古くから紙の産出国でしたが画期的な発達をとげたのは江戸時代になってからと言われています。最盛期では30戸ほどで紙漉きをしていましたが、1998年の時点でわずか3戸になってしまいました。出雲民芸紙と呼ぶようになったのは1930頃からで、当時「民芸運動」の創始者であった柳宗悦氏に後に人間国宝となる安部榮四郎が出会い、柳宗悦氏の指導を受け、和紙作りに励んだ事によります。

出雲民芸紙の特徴を一言でいえば、原料の持ち味を生かすという事です。『楮紙は楮紙らしく、雁皮紙は雁皮紙らしく、三椏紙は三椏紙らしく』といういわば和紙の美学に基づいて作られています。古来の原料を用い、昔からこの地に伝わる道具や技術を駆使して葉書や便箋・封筒・貼り箱など様々な形で生み出されています。特に雁皮紙は光沢があり防虫効果も優れているので保存文書に適しています。柔らかな風合いでありながら丈夫で長持ちするのも特徴のひとつです。

出雲民藝紙の職人を目指した山野さんは『とにかく危機に瀕している出雲民藝紙を残す為に』という一心で修業を始めたそうですが、この思いは出雲民藝紙だけでなくあらゆる方向に向いています。その一つがもう一つの顔である籐細工です。松江藩に江戸末期から伝わる籐細工。こちらも無くなりつつある伝統工芸です。一子相伝で伝えられてきた籐細工ですが、5代目の長崎誠さんに教えを請いながら技術を継承しています。

もしかしたら山野さんの『もうひとつの顔』の方をご存知の方も多いかもしれません。『土瓶の弦の人』と言えば、お世話になっている我々の同業者や陶芸家もいらっしゃるはず。実はこの土瓶の弦も危機的状況にあった重要なパーツ。何でも良ければ適当なモノはあるのでしょうけど、民藝の土瓶に合う力強く細部までこだわった美しい弦はなかなかありません。それを作り出せる職人となると、もはや山野さんは貴重な存在です。

前編・後編と2回にわたってご紹介しました『をのぜの人~ガラスと陶器と和紙の人』の3人の作り手たち。既にガラスの村松さんと袖師窯の尾野さんから出品リストを頂いておりまして、3人合わせるとおよそ1200点を超える、過去最大の物量の展示会となります。幅広く多岐にわたる品揃えで、会期中に何度お越しになっても新しい発見がある展示会となる事と思います。ご期待下さい。皆様のお越しを心からお待ちしております。

【前編】4月28日(土)より『をのぜの人~ガラスと陶器と和紙の人』開催します。

【4月~ゴールデンウイーク明けまでの営業について】
4月は 20日(金)・ 27日(金) をお休みとさせていただきます。5月のお休みについてはまだ未定ですが、イベントの会期中である 5月13日(日)までは休まず営業致します。よろしくお願い致します。

4月に入り新年度がスタートしました。20年前に学生生活を終え会社員でも無くなり6年経った今となっては、新年度と言われても税金や保険関係くらいでしか私には縁のない言葉になってきておりますが、それでも4月になると漠然と新しい何かへの予感や期待にワクワクしたりします。そして5年前の今頃、大きな期待と不安を胸に目前に迫ったMARKUS開業の準備に追われ、2013年5月23日にMARKUSがオープンました。

あれから開業5周年を迎える今、店内の様子も品揃えも変化した所もあれば何も変わらない部分もありますが、何とか5年やってこれたのはMARKUSに関わって下さったお取引き先様やご来店下さった多くのお客様のおかげだと実感しております。本当にありがとうございます。
この感謝の気持ちをカタチにしようと考えてみましたが、セールやノベルティというのも何か違うな。という事で、今年は皆様に喜んでいただける企画に力を入れよう。と思い至りました。

その第1弾が2月に開催した『安土草多の灯り』で、この時はたくさんのお客様にお越し頂き、皆様にとても喜んでいただけたのではないかと思っております。そして今回、5周年月間に開催する第2弾が『をのぜの人~ガラスと陶器と和紙の人』です。『をのぜ』というのは上の写真にある、島根県松江市の北岸にある断崖絶壁に囲まれ遥か広がる日本海を望む小さな港町である『魚瀬(おのぜ)町』の事です。

今回はこの地にルーツを持つ3人の作り手による展示会です。現在は広島県福山市に『カンナカガラズ工房』を構えて活動する村松学さん。島根県松江市に明治時代から続く『袖師焼窯元』の5代目、尾野友彦さん。柳宗悦に見出され人間国宝『阿部榮四郎』が確立した出雲民藝紙の職人でありながら土瓶敷きや弦などの伝統的な籐細工も手掛ける山野 孝弘さん。これら3人の作り手による3つの異なる素材が織り成す誠実な熟練の技と、日々の暮らしを豊かにする三者三様の美しい手仕事の品々をこの機会に是非ご覧下さい。

それではここから3人の作り手をご紹介していきます。まず最初は『カンナカガラス工房 村松 学』さん。村松さんは1967年島根県松江市魚瀬町の生まれ。1990年より日本初のクリスタルガラス専門工場として政府や宮内庁にも納入実績のある『カガミクリスタル』に入社し吹きガラスを始めます。その後1996年より、島根県における民藝運動とも縁の深い舩木家4代目、舩木道忠氏の子息で自らの工房を持つ日本の個人ガラス作家の先駆けである舩木倭帆(しずほ)氏に師事します。

舩木倭帆氏は村松さんが吹きガラスを始めたカガミクリスタルにも在籍していた事があり、同社を離れた後に東京や九州での制作時期を経て、1988年に広島県福山市に『グラスヒュッテ舩木』を設立し、2013年にお亡くなりになるまでガラス制作に生涯を捧げました。村松さんは9年もの長い修行の後、2005年に師匠の工房がある同じ広島県福山市に『カンナカガラス工房』という名で築炉・独立を果たしました。

工房の名前にある『カンナカ』とは何か。村松さんの故郷である魚瀬と日本海に浮かぶ隠岐の島の間の海中には美しく神聖で豊かな天然の漁場があると言われており、そこをカンナカと言うそうです。古くから生きるのに必要なものは全て海がもたらしてくれると教えられ、海近くに暮らせば餓えること無く、生きていく上で必要な分だけ漁をする。足るを知る質素で堅実な生活の精神が込められているのだと思います。

独立後の村松さんは2008年に国展初出品で初入選を果たし、翌2009年には国展工芸部新人賞を受賞。2012年には国展準会員と、キャリアを積み上げていきます。その作風は村松さんの人柄や思いを反映して実直そのもの。大きな個体差は少なく透明感があり瑞々しくキチンと丁寧に作られているという印象です。『刹那的場当たりの効果を狙う創造を忌み、真に価値のあるものを創造する精神を常に持つ』というカガミクリスタルの精神が表れているようです。

印象としてはシャープでいて安心感があり、素朴さというよりシンプルな造形美やラインに対するこだわりが感じられます。もちろん使いやすさについても生活の中の場面や使う目的なども意識して作られています。特にピッチャーや花器などは作り手によって個性が出ますが、村松さんが作るモノはどちらかと言うとぽってりとした丸みではなく、スマートでシュッとした曲線です。ですが高価で繊細なクリスタルやデザイン重視でつくられたものとは違い、気負わずに使える日々の暮らしの中でこそ存在感を発揮すガラス器です。

『工芸美の本来は、日々の暮らしの中にあって、心の安らぎと悦びをもたらす普遍的な存在である』・『芸は人の修練によってのみ達せられ、修練に支えられ、あくまで謙虚に誠意と喜びを以て作ったものが使う人の心に響き、使う人の喜びが重なり合って新たな喜びが生まれる。そこに真の豊かな暮らしが生まれる』これは村松さんの師匠である舩木倭帆氏の言葉ですが、真摯に仕事に向き合い妥協を許さない村松さんが作るガラスには、その教えが見事に体現されているように感じます。

村松さんの作り出す色ガラスは初夏の日差しを通して様々な表情に変化します。造形の美しさもさることながら、師である舩木倭帆氏ゆずりの大胆で鮮やかな色彩も大きな魅力です。ぜひお手に取ってその美しさを堪能して下さい。皆様のお越しを心からお待ちしております。
● カンナカガラス工房 村松学さんの在廊日は初日の4月28日(土)です。

あとお二人、袖師窯の尾野友彦さんと出雲民藝紙の山野孝弘さんは【後編】でご紹介いたします。

あっという間に4月です。

2月末で安土草多さんの照明の展示が終わり、力尽きてボーっとしてたら3月もあっという間に終わってしまいました。かと言って何もしていなかった訳では無く、前半は確定申告でバタバタしていたり、まとまった入荷もいくつかありましたし4月末から始まるゴールデンウイークの企画に向けて準備を着々と進めておりました。

● 4月のお休み : 4月4日(水)・ 27日(金)

ゴールデンウイーク企画についてはまた来週辺りに別の記事でガッツリご紹介するとして、今日はここ最近の入荷のご紹介をさせていただきます。まずは愛知県常滑市の冨本大輔さんより染付のうつわが届きました。何度目かの入荷で、もはや定番化している飯碗・深どんぶり・6寸と7寸の浅鉢に新柄の格子模様が加わり、更に今回は新商品の平皿と石皿も入荷して、幅広い充実の品揃えとなりました。

平皿の方は染付の柄や質感はそのまま継承しつつ、カタチは完全なフラットという訳でもなく中心が緩く窪んでおりフチがシュッと立ち上がり少しシャープなフォルムになっております。石皿の方はぽってりとした質感で古くから日用雑器として親しまれているカタチに沿った作りとなっており、色は薄っすら緑掛かった爽やかな色合いの鉄呉須と柔らかで優しい色合いの白釉の2色です。平皿も石皿も7寸と8寸の2サイズございます。

昨年7月の3人展以来の久しぶりの入荷となったSemi-Aco 加賀雅之さんからは、お馴染みのPan皿・Onigiri皿・カッティングコースターなど定番の品揃えで再入荷しました。3月の前半に入荷したのですが、久し振りの入荷だったという事もあり、既に完売してしまっているモノもございます。お知らせが遅くてスミマセン。

そしてもうひとつお久し振りの入荷なのが岐阜県のwoodpeckerさんのイチョウの木のまな板と山桜の木のカッティングボードです。冬の間は売り場がパンパンでしばらくお休みしていたのですが、春の新生活需要やそれに向けたギフトとしてご要望いただいておりましたので復活させました。また山桜のカッティングボードに新たにハーフのバケットくらいなら楽々乗るロングサイズが加わりました。

思い返してみると木工製品の入荷が続いた3月。島根県の森山ロクロ工作所さんからもケヤキのプレートや丸盆、薬味入れやサクラ材の茶筒など、なかなか渋めのセレクトで入荷しております。昨年の9月に再び出雲の森山さんの工場にお邪魔した際に注文してきたものなのですが、お茶をいただきながら世間話をしている時に、古い作品や資料などが雑然と詰まったキャビネットの奥に入っている薬味入れが目に留まりました。

チェスの駒のような品のある佇まいで、かなり以前に作っていたもので今は定番的にはやっていない。との事だったのですが、強引にお願いして作っていただきました。それからおよそ半年ぶりの対面だったのですが、入荷した品物を見て満足の出来栄えに思わずニヤッとしました。サクラの茶筒も小振りでシンプルな造形ですがサクラの木目も美しく、中蓋も外蓋もパチッと収まる精緻な職人の仕事に今度は思わず唸りました。

そして今回は、初めて森山さんに丸盆を注文しました。森山ロクロ工作所と言えば茶托と丸盆。というくらい民藝界隈ではお馴染みの存在なのですが、個人的に『いわゆるお盆って今の日本の生活様式の中で、どんな場面で、どのくらいの頻度で登場するのだろう』という疑問を抱いていた事もあり、しばらく『トレイ』ではなく『お盆』を取り扱う事を躊躇っていました。

ですが今回思い切ってお盆を注文して、お盆のある風景というモノを考えてみてしっくり腑に落ちました。カタチにして実践してみると現代の生活様式や住宅事情などといった機能面の事はさておき、お盆に載せるというひと手間やうつわを直に持つ・置くのではなく1枚のお盆が挟まる事で生まれるゆとりや丁寧さが日本人の美意識としてしっくりくるのだと思いました。皆さんもお盆のある生活はいかがでしょうか。

個展『安土草多の灯り』~後半戦に入りました。

2月10日よりスタートしております個展『安土草多の灯り』も後半戦に突入いたしました。3連休からのスタートだったという事もあり初日からの3日間はたくさんのお客様にお越し頂き、誠にありがとうございました。25日の日曜日までの会期ですのでまだご覧になっていない方もまだたくさんありますのでお早めに。

安土さんの照明は全国にたくさんのファンがいらっしゃって、今回は都内だけでなく千葉や神奈川、埼玉。『栃木から来ました。』というお客様もいらっしゃいました。ほとんどの方がネットやインスタで下調べをして、ある程度お目当てがあってご来店されるのですが、事前の下調べも店内に入るとリセットされてしまうそうです。

店内にはおよそ50点のペンダントライトが吊るされ、その全てが安土さんの照明独特の柔らかな光を放っているのですが、まずその光景を見て圧倒されてお目当てだった照明もいったん忘れてしまい、目移りに目移りを重ねてしばし店内を見上げながらイチから考え直す方がほとんどです。でもその表情はとても楽しそうです。

『一度にこんなにたくさんの安土さんの照明を見るのは初めて。欲しいモノがありすぎて危険です。』などと何人かのお客様から嬉しいお言葉をいただいて『この個展を開催して良かった。』という店主冥利に尽きる気持ちでいっぱいで、年末年始の短期間でコレだけの品物を提供して下さった安土さんにも心から感謝です。

本来であればもっと早めに打合せして製作期間にも余裕を持って品揃えのリクエストをしなければならないのですが、昨年11月に打ち合わせの為に安土さんの工房がある高山に向かった時は、松本まで行ったもののいつもより早い降雪で峠を越えて高山に入るのは危険だったために断念しました。

仕切り直して12月に今度は高速バスで高山へ入り、短い時間でしたが今まで私自身も現物を見たことが無かった色んな作品や作業場なども見せていただき、しっかり目に焼き付けて東京に戻って大急ぎで品揃えの構想を練りました。それでも製作期間としてはギリギリだったのですが何とか会期に間に合わせて下さいました。

私はといえば年末は忙しさにかこつけて個展の準備は何も手につかず、年始も正月ムードが終わった1月後半からモタモタとDMの準備を始め、間に2泊3日の山陰山陽地方への出張を挟み、帰ってきてからDMデザインの入稿を済ませ、同時進行で安土さんの照明をとにかくたくさん吊る為の方法をひねっておりました。

今考えると、呆れるほどの動き出しの遅さと段取りの悪さなのですが、そこから何とか配線レール増設を請け負ってくれる電気業者を絞り出し、打合せをしながらレイアウトを決定し、コスト削減の為全てのパーツを自分で手配し、電気配線以外の取付け工事は全て自分で行う。という無茶な条件で工事を依頼しておりました。

そうしている間にDMが上がってきて大急ぎで宛名貼りをして郵便局に持ち込んで発送を済ませ。今度は電設部材や電球やらの手配をネットで行い、ネットの情報だけでは不安なモノはホームセンターに何度も行って買い揃えたりと個展の直前まで目まぐるしく準備に追われていました。

会期前日はお店はお休みにして朝から電気屋さんに工事に入っていただき、コスト削減のため私もお手伝いし、その傍らせっせと照明を組み立てて日付が変わる前には何とか120点全てを完成させて、その内50点ほどを店内に吊り下げました。完成した売り場は今まで見た事の無い圧巻の景色でした。

ご来店下さったお客様の最初の驚きやその後の目移りしながら楽しそうにアレコレと迷っていらっしゃる様子。最終的にコレだと思うものを選ばれて嬉しそうに帰って行かれるのを見ると、私自身も嬉しくなり『ホントに今回の個展をやってよかったなぁ』という思いと同時に、今回の為に配線レールを12m分も増設して、たくさん吊り下げた甲斐があったという充実感でいっぱいです。

ご来店いただいお客様や今回の為に頑張ってたくさんの品物をご用意いただいた安土さんに心から感謝です。ありがとうございます。そして今回は照明だけでなく食器類もたくさんご用意いただきました。新作のグラスから酒器や小鉢など、照明に負けず劣らず充実の品揃えです。こちらも選ぶのが大変そうなほどの多彩で個性豊かな品揃えで皆様を迷わせます。照明選びでちょっと疲れた方はこちらで癒されて下さい。

会期も2月25日までと残り僅かですが、一度にコレだけの数の中からお選びいただける機会はなかなかございません。今すぐ必要ではないけど将来自分の部屋に吊ってみたい。という方でも下調べのつもりでご来店下さい。PCやスマホの画面からでは絶対にわからない直に見た時にしか得られない感動と癒しが安土さんの照明にはあります。皆様のご来店をお待ちしております。

個展『安土 草多の灯り』を開催します。~最近の入荷のお知らせ。

気が付けばもう2月。東京を襲った2度の大雪で散々な目に遭いましたが何とか元気に営業しております。先月にも予告致しましたが、今年はMARKUS開業5周年のメモリアルイヤー(笑)という事で、例年以上に企画を仕込んでおりまして、2月はその第1弾として『吹きガラス 安土草多の灯り』を、今回は少し長めの 2月10日(土)~ 25日(日)の期間で開催します。【 会期前日の 9日(金)は売場準備の為お休みをいただきます 】

5周年を迎える2018年は色々と企画を入れていこうと考えたのが昨年の今頃で、ゴールデンウイークや秋の企画が先に決まり、2月か春先に何か出来ないものかと思案していた所、ガラス照明の暖かくて柔らかな光は夏より冬の方が人気があったな。とか、新生活シーズン前に照明ってアリだな。という割と短絡的な思考で照明の展示をやりたい。と思い至って、すぐ安土草多さんに相談したところ、OK!という事で実現しました。

こうやって書くと随分適当な感じですが、実はもっと前から安土さんには個展のお願いをしており、今回はタイミングと内容が上手く噛み合った。という事です。安土さんとはよく飲みの席でご一緒する事があるのですが、そこでいろんなアイデアや切っ掛けをいただきます。今でこそMARKUSで定番的に扱っている酒器も切っ掛けは安土さんでした。今回の照明の展示も何気ない安土さんとの世間話からヒントをいただいております。

安土さんの照明のファンは多く、よくお問い合わせをいただきます。普段は5~6点を展示して、無くなったら定番的に扱いたいモノと他の新しいモノと半々で差し替えていたのですが、ネットで調べたお客様から『アレの現物を見てみたい』というご要望をいただくようになり、私自身も店内いっぱいに安土さんの照明がぶら下がったら圧巻だろうな。と思っていたので今回の企画を安土さんにお願いしました。

安土さんのガラスは光を通す事で様々な表情を見せてくれます。それはうつわでも同じですが、特に照明の場合は通す光の種類によって表れる表情の質も異なります。太陽の光を通した時は瑞々しく透明感があり、混じり気の無い氷の塊のような涼やかとも言える表情をしており、明かりを灯すと一転して、優しく柔らかに揺らぐ光と影の表情が、ぼんやりと焚火を眺めているような穏やかな気持ちにさせてくれます。

今回の展示はペンダント照明のみの集積です。ペンダントランプとはその名の通り『吊り』照明なのですが、今回の展示ではこんな感じで『置き』での楽しみ方もご提案しております。直接テーブルなど家具の上に置くと熱によって変色したりする可能性があるので板などを1枚挟んだ方が無難ですが、光や影の揺らぎが接地面に映り込み『吊り』の時とは全く違う光と影の表情を楽しむ事ができます。

昨年の11月に安土さんの工房のある高山にお邪魔して、今回の展示に向けて全部で40種類ほど、およそ100数十点ほどのペンダントランプをお願いしております。カタチも大きさも様々でクラックと呼ばれるヒビ仕上げだったり泡が入った仕上げだったりガラスの表情も様々です。お部屋の中を飾るモノですから一旦ご自宅に帰って検討する時間もあった方がいいかと思い、今回は期間も長めに設定しております。

また、1種類当たりの数にも限りがありますので、完売してしまったモノに関してはご希望に応じて『受注生産』の形を取らせていただきたいと思っております。会期終了後でも後日改めてご注文いただけますので、今すぐでなくてもいい方も目に焼き付けてお帰り下さい。1ヶ所でこれだけの数の照明を一堂にご覧いただける迫力ある展示となっておりますのでこの機会をお見逃しなく。皆様のお越しをお待ちしております。

続きまして、入荷のお知らせを2つ。毎年年末年始にかけてうつわを届けて下さる、益子の岡本芳久さんから入荷がありました。昨年秋に鉢モノだけで第1便を届けて下さったのですが、今回は湯吞みと飯碗。そして新作の点打ち模様の7寸皿が各3色づつ入荷しています。前回秋に入荷した鉢モノは既に完売してしまっておりますので、今回は『新入荷』のようなフレッシュな気持ちで売場に並べました。

新作の7寸皿は岡本さんお得意の織部と瑠璃釉と灰釉の3色展開です。高台が広めで安定感があり、点打ちの模様も岡本さん独特のじわっと滲んだような柔らかな表情で優しい感じがします。深さもそこそこありますので、カレーやパスタ、炒め物など幅広い用途で活躍してくれます。岡本さんはだいたい毎年春に注文を入れて、その年の年末から年始にかけてお届け下さるので、この次の入荷は今年の冬になる予定です。

そしてもう一つ。昨年の11月の仕入旅で長野~岐阜~愛知~静岡と回って最後に立ち寄った、山梨県の河口湖周辺で作られたスズ竹のカゴやザルが早くも届きました。まだ青々として爽やかな竹の香りがするので春が来たような気分になります。一部のカゴザルの産地では高齢化が著しく供給力が縮小傾向にあるのですが、こちらでは60~70代ではまだまだ若手と言われる方々が元気に和気あいあいとカゴを編んでおります。

今回はソバザルと米とぎザルと呼ばれる深いもの。そしていわゆる市場カゴと呼ばれる手提げカゴの3種類です。蕎麦ザルと米とぎザルの編み方は山梨を訪れる2日前にうかがった戸隠の蕎麦ザルと同じ編み方で、底の中央を網代編みで組み、そこから渦のような編み方(編み方の呼び名があるのですが忘れてしまいました)に変わり、外側をござ編みにして立ち上げていきます。ずっと残っていてほしい伝統の技です。

個展のお知らせがメインとなって入荷のお知らせが少々かすんでしまいましたが、個展会期中も入荷があればInstagramやFacebookから随時ご紹介していきます。よろしくおい願い致します。

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