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【丹波立杭の六窯展】を開催します。前編:丹波立杭焼について

【丹波立杭の六窯展】を10月18日(金)〜11月4日(月・祝)の会期で開催します。昨年もこの時期に開催した熊本県の小代焼3窯の展示と同じく、伝統的工芸品産業振興協会が主催するJTCW(JAPAN TRADITIONAL CRAFT WEEK)の一環で、今年は日本六古窯のひとつ兵庫県の丹波立杭焼の窯元、6軒にご協力いただき、およそ700点の大ボリュームで丹波立杭焼の魅力をご紹介します。

丹波立杭焼は瀬戸・常滑・信楽・備前・越前とともに日本六古窯の一つに数えられ、その発祥は平安時代末期から鎌倉時代のはじめといわれています。桃山時代までは『穴窯』が使用されていましたが、慶長16年(1611)ごろ朝鮮式半地上の『登り窯』が導入され、同時期に取り入れられた蹴りロクロとともに窯が開かれてからおよそ800年、一貫して日用雑器を主体に焼き続けており、伝統の技法を今日に受け継いでいます。

現在の産地は比較的狭い地域に60軒もの窯元が密集しており、代々稼業として焼き物を営んでいる家が多い為、皆さん幼い頃からの顔見知りで隣近所も同業者という環境なので、和気あいあいとした雰囲気でした。お話を聞くと、ほとんどが個人事業主で代々続く古い家が多い中、対応に出て下さった方の多くが私と同世代の方、または後継者がいる家で、世代交代が比較的うまくいっている産地。という印象があり安心しました。

他に産地に行ってみて印象深かったのは、さすが日本六古窯のひとつで800年の歴史を持ち、多くの窯元が密集している産地だけに、そこら中に登り窯がある事には驚きました。他の産地では何軒か複数の家で使う共同の登り窯がよくあるのですが、ここでは個々に登り窯や穴窯を持っていたそうです。現在は登り窯を使う機会もかなり少なくなってきていますが、それでもほとんどの窯元でガス窯・電気窯・灯油釜・薪窯など、3~4基の複数の窯を1軒で所有しているのは、他の産地ではあまり見られない事なので特に印象深かったです。

江戸時代には数々の名工が腕をふるった事で花器・茶器などで丹波の名が高められたのち、明治・大正・昭和と時代を経て、現在作られているのは主に生活雑器の中でも食器がほとんどだそうですが、何件かの窯元で出会った丹波独特の力強い土瓶や伝統の蝋燭徳利には目を引かれました。また多くの窯元で、現在はほとんど作られていない古い大甕などが無造作に屋外に置かれているのを見て時代の流れを感じました。

今回は個性の異なる6軒の窯元様にお声掛けして、伝統的なコレぞ丹波焼というモノからカラフルでおしゃれな丹波焼まで、幅広い品揃えでおよそ6~700点もの物量をご用意致します。昔ながらのぽってりとして落ち着いた雰囲気のうつわでホッと癒されたい方も、カラフルで現代的なうつわでオシャレにテーブル上を演出したい方も、きっとお気に入りが見つかる事と思います。そして、そこにあるのは800年もの歴史を持つ産地の懐の深さであり、この先も伝統をつないでいくために必要な変化とこだわりだと思います。

ま、あれこれと難しい事も書きましたが、とにかく一度手に取って見て触っていただきたいです。なかなか無い機会なので会期も長めに取っておりますので皆様のご来店をお待ちしております。
後編では今回品物をご提供くださった6件の窯元様をご紹介していきます。

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